デプス・オブ・ラヴ

2002年6月20日
4月か5月かに、おそろいで指輪を買ったことがある。ノリで買ったのだけれど、お互いに右手の薬指にはめることを前提にしていたことを後で知り、なんだか面映かった。
その後、あの人は出先の洗面所に置き忘れてしまった。
たまたまその日に待ち合わせをしていたため、一緒に戻って探したのだが、なかった。
今でも私の右手薬指には、あの人とおそろいだった指輪がある。
けれど、この片割れはもういない。誰かが持っていったのだと思う。どこかで使われているのかもしれないけれど、あの人の手元にはない。
わたしも過去、気に入っていた指輪を同じシチュエーションでなくしたことがある。だから、あの人が指輪をなくした、と言うことに関しては大して感じていない。「あー、もったいなかったねぇ」くらい。
ただ、わたしだけが持っている、ということが、少しだけひっかかりを覚えた。
とても、象徴的だな、と。
例えば、あの人が同じデザインの指輪をもう一度買ったとしても、わたしの持っている指輪とは、違うものであるように思う。感覚的なものだから、気にしなければそれでいいのかもしれない。けれど、形はあっても、思いそのものは戻ってこないように思う。
残ったのがわたしの方、というのが、どうにもわたしとあの人の思いそのまま、という気がしてならなくて、これを思い出すたびにちょっとためいきをついてしまうのだ。

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