酸素

2002年7月5日
毎週、2回くらいは平気で会っていて、それが数ヶ月も続いてしまえば、もはや当然のこととなってしまう。
過呼吸だったのかな。
水曜日の夜、突然、胸がつまって、息苦しくなって、どうしようもなくなってしまった。
日曜日に会ったばっかりなのに、本当にどうしても会いたくて会いたくて仕方がなかった。発作みたいに。
ガリガリと、手帳に文字を書いて気持ちを沈めて、あぁ、酸欠だ、と思った。
空気みたいに、そこにあるのが当たり前になってしまっていて、ないと呼吸すら満足にできなくなってしまっていたことが、とても怖かった。
どうなってしまうんだろう、と。
慣れというのはとても恐い。
特別だったことが当たり前になって、当たり前だったことが大したことじゃなくなってしまう。

ぜーぜー言っていたわたしの携帯電話が鳴った。
なんとなく予感めいたもの(あるいは願望だったのかもしれない)があって、慌てて二つ折りの携帯を開く。

あの人からだった。

土曜日、サッカーのチケットが手に入ったから行かないか、と。
声が、いつもの声が出せなかった。
心底疲れた時に出すような、甘ったるい声しか出せなくて、普通の声はだめだった。
実は今、とても忙しくて、ほんとうは行っている時間なんてなかった。
でも、駄目で。
「どうしよう」と口走りながら、心はもう飛んでいた。
行く、と決めていた。
「行きたい」と、わたしは言った。
それで、決まった。


共通の友人曰く、わたしは、あの人にとってプライオリティの一番らしい。<ある特定のことについてだが、もちろん。
それは、とても嬉しい。
けれど、あの人とわたしは同年代で(同い年だと思っている。お互いに)、だからこそ、わたしに甘えてくることはないんじゃないかなと、友人が言っていた。
環境が変わって、あの人が精神的にも、肉体的にもとても疲れていることをわたしは薄々知っていて、だからこそ、何かの力になれたらいいのに、と思う。
だけど、あの人はわたしが抱きしめてあげたいと思ってもそれを拒絶するし、私には寄りかかるまいとしている。
ならばわたしは見ていよう、と思うのだけれど、わたしの性格からして、黙って見ているだなんてどうしてもできない。
内に溜め込んでしまうあの人に、大声でわめいていいのよ、と、ぎゅっと抱きしめながら言ってあげたい。

不足しているのは、あの人という酸素と、わたし自身の勇気のなさだ。

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